「一流の記憶法<Kindle版>」の読書レビューです。「記憶の論理」と「14の記憶術」について記述されています。紙媒体はなく、Kindle版のみです。
効率の良い記憶法について語られている本です。海馬や扁桃体など、脳自体について語られている本ではありません。また、この本を読んでも、写真記憶能力などの取得は不可能です。そういった特殊能力には全く触れられていません。
蛇足ですが、脳について興味のある方はこちらの記事をどうぞ。
>脳とは「記憶そのもの」だった──「記憶のメカニズム」の詳細が明らかに|WIRED.jp
一流の記憶法
私は、アプリなどにより同時翻訳が可能なこの時代において、英会話を習得しようとしている変な者です。少しずつ英単語を覚えようと頑張っているのですが、全然捗っていませんでした。そこで以前から気になっていた「一流の記憶法」を購入し、すがる思いで読破、いや、レッドスルーアブックしました。
読み終えた後は、殆ど既知の情報だったけど「ぼんやりと覚えやすいと思って実行していた記憶法は割りと正しかったんだ」とはっきりし、思考がクリアになりました。そういえば学生の頃、英単語や歴史はこうやって覚えてたなぁ、とフラッシュバックしました。あの頃の熱量を、具体的に効率よく思い出せたのは収穫だったと思います。最近いかに頭を使っていなかったかを、しみじみと実感しました。
内容について
前半
前半は、一般的な「記憶する」という行為に関する前提のようなお話です。記憶は「短期記憶」と「長期記憶」に分類され、どうにか長期記憶に保存しようというお話です。
私が感じたイメージとしては、
- 短期記憶:[データ]→[メモリ]
- 長期記憶:[データ]→[メモリ]→[ハードディスク]
といった感じです。
また、記憶する際の「陥りやすいミス」についても言及されています。些細なことですが、間違った記憶法を正し、少しでも効率よく記憶することに繋がります。記憶する手順が明確になることにより、少しですが効率がよくなります。
後半
後半は、数ある記憶法を1つずつ「実例」や「例題」を交えて紹介されています。
その一つに、語呂合わせで覚える手法がご紹介されていますが、語呂合わせが流石に上手だなと思いました。語呂合わせは、直感で記憶できてしまう特殊な人に比べるとスマートではない気がしますが、記憶を定着させやすく効率がかなり上がるので、利用した方が圧倒的にスマートです。
蛇足ですが、数字の語呂合わせに便利なサイトをご紹介します。面白いです。
>語呂合わせジェネレータ
他にも沢山の記憶法が紹介されています。ただし、数がすごく多い(というか多すぎる)ので、自分にあった記憶法だけを実践すればいいでしょう。そして、時短のためには、お気に入りの記憶法を訓練することが必要だと感じました。
手法を網羅的に紹介されていますので、利用価値がほぼ無いと判断できる手法は、ロジックだけを読んで後はさっと斜め読みで十分だと思います。私は、くどいと感じた所は完全に読み飛ばしました。
感想
感想としては、既知の情報が殆どでした。しかし、やはり得られたこともあり、この価格にして頭がクリアになるなら買ってよかったと感じています。
読み方としては、前半の記憶のロジックを読み、後半の気になる記憶法だけ読む。それだけで十分です。あらゆる記憶法をマスターしようとするより、自分にあった記憶法を訓練し、やりたいことに注力しましょう。劇的な変化は無いですが、記憶についての仕組みが明確になり、少しですが効率化を図れるかもしれません。小学生の頃に読みたかったなぁ。
投稿時点では、Kindle Unlimitedなら無料のようですし、通常のKindle版も価格がかなり安いですよ。よろしければどうぞ。
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