最近、歯医者さんで虫歯治療を受けてきました。虫歯治療には数回通う必要があるので時間がもったいないです。待ち時間も面倒だし。
もうこんなことは嫌なので、虫歯にならないためにはどうするべきか、真剣に考えてみました。
また、治療の際に歯磨きの指導も受けてきたので、おすすめの歯磨き方法もご紹介しています。
なぜ虫歯になるのか
虫歯の主な原因は下記の通りです。
むし歯は、口の中に存在するむし歯の原因菌(ミュータンス菌)が作る酸が歯のカルシウムを溶かし、やがて穴があいてしまう病気です。
虫歯の大きな原因を「3つ」まとめました。
上記で概要は分かりましたが、虫歯対策のために更に原因を詳しく調べ、3つの要素にまとめました。
逆に言えば、この3つを何とかできれば虫歯はできないということが分かりました。
- 細菌(ミュータンス菌)
糖を分解した際に酸を出し歯を溶かす、虫歯の原因菌。歯茎にも侵入する。好条件下では、約40分で2匹に分裂していけるらしい。細菌が繁殖し、8時間ほどで歯垢(しこう・プラーク・バイオフィルム)となる。歯垢は、48時間ほどで歯石となる。 - 糖質
ミュータンス菌が糖質を分解した際に「酸」が出る。その酸で歯が溶けて、虫歯になります。糖質は、ミュータンス菌にとっての大好物。 - 口内環境(中性を目指す)
やや酸性(pH5.5以下)になると、徐々に酸が歯の表面を溶かし始めます。これを脱灰(だっかい)といいます。しかも、やや酸性の状態ではミュータンス菌が多く検出されるようです。アルカリ性だと別の菌が繁殖します。しかし、中性(pH7.0付近)では多くの菌が牽制しあって、特定の菌の異常繁殖は抑制されます。また、中性付近では歯の再石灰化により歯の表面は修復されます。中性を心がけることが大事です。唾液の力で、徐々に中性に戻ります。
「砂糖は歯を溶かす」という言い伝えは「嘘」です。しかし、結果的にミュータンス菌を活性化させてしまうため、無関係ではないということが分かりました。酸性が大敵です。口内が中性の状態で虫歯になることはないそうです。口内環境はかなり大事です。
pHについて
上記で、pH(ピーエッチ、ペーハー)について触れましたので補足しています。pHとは、数値が小さいほど酸性、大きいほどアルカリ性となります。pH7.0付近が中性です。
酸性の食べ物一覧
口内がpH5.5以下になると歯の表面が溶け始めると述べました。従って、どんな食べ物がどのくらいの酸度を含んでいるのかを知っておく必要があります。
食べ物に含まれる酸性度は下記の通りです。
※リスクの高い、低いで分けてありますが、以下の表のほとんどが「酸性」の食べ物です。(pH7.0より低いものは酸性です。)
コーラや酢、ワイン、オレンジ、イチゴあたりを寝る前に飲食し、そのまま寝ちゃうとヤバイですね。特にコーラは、大量の酸と砂糖を含んだ虫歯のための液体とも言えるでしょう。でも美味いんだよなぁ。
虫歯対策
それでは、虫歯対策をざ~っとご紹介しています。よろしければ、複合的に利用してみてください。
口内を中性に保つ
間食に注意
虫歯予防のために、口内をpH7.0付近の中性へすることが大事だと述べました。その理由の1つとして、再石灰化が挙げられます。pH5.6以上から徐々に再石灰化が始まるからです。
口内は「唾液の力」により徐々に中性(pH7.0付近)に戻ります。
しかし前述した通り、食べ物のほとんどは酸性です。間食が多いと、口内が酸性の状態が長く続き再石灰化を阻害してしまいます。また、睡眠中は唾液の分泌が極端に低下しますので、就寝前は特に注意が必要です。
整った生活リズムで食事をとれば、再石灰化を効率よく行うことができます。
虫歯対策の食品
昔から変わらない原始的な歯磨きに加えて「科学の力」で何とかしようという商品です。虫歯になりやすい方、間食や糖分の多いジュースなどを摂取する方は対策した方がいいかもしれません。
ミュータンス菌(虫歯菌)を抑制する効果があるとされる、TVでも紹介された乳酸菌「L8020菌」の他、定番の乳酸菌「LS1(Lactobacillus salivarius TI2711)」を配合した商品も人気です。これらは、プロバイオティクスとも呼ばれている、人体にいい影響をあたえる善玉菌です。
元々、赤ちゃんの口内にはミュータンス菌は存在しません。親御さんの使用したお箸やスプーン、キスなどで感染するそうです。そういったことから、虫歯菌対策として歯磨き後に、お子様と一緒に摂取している方も多いようです。
「L8020菌」を配合した商品。
乳酸菌「LS1(Lactobacillus salivarius TI2711)」を配合した商品。
キシリトール100%のシュガーレスの商品「【歯科専用】キシリトールガム」などもオススメです。キシリトールは甘味料の一種です。しかし、ミュータンス菌には分解できず、菌の活動を弱めてくれます。
他にも、POs-Ca(ポスカ)という初期むし歯を再結晶化する「むし歯対策ガム」も販売されています。
ミュータンス菌対策の商品も販売されています。
毒出しうがい
TV番組でも紹介された「毒出しうがい」も少しだけ効果があります。水は中性ですので、水で酸を洗い流すのはとてもいいことです。歯磨きができない環境下では、毒出しうがいをお試しください。
結構激しいので恥ずかしいですが、外食の際はお店の外に出てから行なえば、誰にも迷惑はかかりません。
歯磨きを上達させる
虫歯になる原因で「歯磨きが下手だから」という場合が多いです。歯磨きでは、汚れの60%程度しか落とせないともいわれます。下手な人は、それを大きく下回っているということです。
歯磨きの重要な点
- 鏡を見て、口を開けて磨く
- 順番を決める
- 最低でも、1日2回以上は磨く
- 1日1回は念入りに磨く
- 歯間ブラシやフロスも使う
上記を守り、歯磨きを行ってください。
きちんと磨けているか確認するためにも鏡を見て磨きましょう。口を開けてきちんと奥歯まで磨くと、口から泡が垂れたりします。垂れそうになったら泡は吐いちゃいましょう。そもそも歯磨き粉の量は、マッチ棒の先くらいあれば別にいいそうです。
逆に、ずっと口を閉じたまま磨いている方は、きちんと磨けず虫歯になりやすいのではないでしょうか?奥歯や歯周ポケットは、閉じたまま磨くのはすごく大変です。見た目よりも虫歯予防の方が大切です。きちんと磨けていない可能性が高いので、是非この機会に磨き方の改善をしましょう。
丁寧に1本ずつ磨けば、必ず5~10分くらいは磨くことになります。順番を決めて、磨き残しが無いように磨きましょう。しかし、エナメル質を損なうほど研磨してしまうのは逆効果ですので、磨きすぎや傷つくぐらい強く磨くことは避けてください。
順番(私の場合)
私の場合は、下記の順番で磨いています。
- 水で口をしっかりとゆすぐ
- 噛み合わせ(歯の溝)(下の歯全部→上の歯全部)
- 歯の側面と歯間(下の歯全部→上の歯全部)
- 歯周ポケット(下の歯全部→上の歯全部)
- 最後に全体を軽く磨く
- フロス
上記の順番で、1本ずつ磨いています。
< Point!>
歯周ポケットなら、歯周ポケットだけを、上下磨いてしまうというのが、磨き残し防止のポイントです。
私は、歯磨き中に考え事をする癖があります。寝ぼけている場合も多いです。順番を決めていると、ふと我に返った時にどこまで磨いたか一目瞭然です。磨き残しをすることはありません。順番に決まりはありませんので、磨きやすい順番でOKです。必ず順番を決めて磨いてください。
噛み合わせ(歯の溝)
特に奥歯の溝は細かく、虫歯の原因になりやすいので気をつけましょう。
フィッシャーシーラントという、溝を埋める予防方法もありますので、試してみるのもいいかもしれません。
側面&歯間
「縦」に歯ブラシを上下させて、1本ずつ磨いていきます。
左・中央・右のブロックを意識する。ブロックごとに、歯ブラシの向きを傾けて縦磨きします。
内側は、ブラシの中央~かかとを使って掻き出すように縦磨きします。
奥歯の根元の歯間には、大きな隙間があったりするので意識して磨きます。奥歯の最後尾も磨き残しが起きやすいので注意して磨きます。
歯周ポケット
歯周ポケットは、通常1~2ミリあります。深い方は、歯周病などの場合は、6ミリ程度まで深い場合もあるそうです。磨き残しがないように、掻き出していきます。こちらも、最後尾の歯は磨きにくいですが、傷つけないように頑張って磨きましょう。
虫歯になりやすい部分
下記の部分が虫歯になりやすいところなので、意識して磨きましょう。
赤く着色して歯垢をチェックしながら磨ける商品もありますので、是非一度お試しください。
小さい頃学校で使用した方も多いのではないでしょうか。大人になるまで忘れていましたが、最近使用してみて、どれだけ歯磨きが下手なのか再確認しました。歯の内側なんて全然磨けてなかったです。虫歯になりやすい方は、歯磨きの練習が必要です。
歯ブラシを選ぶ
手用歯ブラシ
「柔らかめ」&「ヘッドが小さめ」の歯ブラシがオススメです。上記でご案内したように、歯を1本ずつ縦に磨きますし「奥歯の最後尾」や「最後尾の歯周ポケット」が磨きやすいからです。以前はふつうを使用していましたが、現在はやわらかめを使用中です。
大きさは好みですので、ヘッドが大きくても奥歯が磨ける方は大きくてもいいと思います。
近所の歯医者さんでは「やわらかめ」をオススメされましたし、実際に利用してみて歯磨きが上手くなったと言ってもらえたので「やわらかめ」がオススメです。しかし「ふつう」の硬さを推奨している医院もあるので、ふつうがいい方はそうしてください。「かため」だけは、やめましょう。特にクリアクリーンの歯ブラシは、やわらかめでもふつう並の硬さですので、かためとかヤバそうな気がします。
歯茎を傷めない
柔らかめの歯ブラシなら、歯茎を傷めず歯磨きを行うことができます。
柔らかめの歯ブラシの場合
硬めの歯ブラシの場合
近所の歯医者さんいわく「超柔らかめ」は歯周病などで歯茎を痛めてしまった方が、治療期間に1ヶ月ほど利用するには適していますが、改善後や通常は「柔らかめ」をオススメするとのことです。メーカーにより少し異なりますが、柔らかめでも結構コシがありますよ。エナメル質を削ぎ落とす「ゴシゴシ磨き」は卒業しましょう。
電動歯ブラシ
電動歯ブラシは「回転磨き」か「バス磨き」に大きく分かれます。
好みの問題ですが、パナソニックのドルツのように、バス磨き式&音波振動付きのものがオススメです。
W音波振動なので歯垢の除去が容易にできます。
最上位のタイプは、バス磨き式やW音波振動に加えて、叩く運動もプラスされたので最もオススメです。また、フィリップスのソニッケアーもバス磨き式の人気商品です。
ブラウンのオーラルBのような、回転式+振動式の商品も、ふつうの歯ブラシでは磨きにくい部分も綺麗に磨けるようです。どちらを選ぶかは好みの問題が大きいです。どちらも使い方を間違わなければ虫歯予防に有効です。説明書をよく読み、研磨剤が入っていない専用の歯磨き粉で歯磨きしてください。
デンタルフロス&歯間ブラシ
どうしても届かない、奥歯や歯間には「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」を使用しましょう。私は下記のフロスを使用中です。他のフロスと違ってかなり細い繊維でできているので奥歯の歯間もケアできます。オススメです。
歯間ブラシは使用していませんが、初めて使用するなら極細をオススメします。
フロスや歯間ブラシの使用方法は、下記サイトですごく分かりやすく紹介されています。
>デンタルフロス/歯間ブラシの使い方|お役立ち情報|サンスター
超音波水流のタイプも人気です。
歯ブラシの交換時期
最低でも「1ヶ月程度」が交換の目安です。上記のイラストは広がり過ぎです。やや毛先が広がった時点で、すぐ交換しましょう。
歯磨きのタイミング
歯磨きは、食後30分後以降が望ましいという噂を聞きます。しかし私はそんなことは気にせず、直ぐ磨いています。しっかりと口の中をゆすいでから磨くようにはしています。
「30分後説」の理由は、食事による酸で歯の表面がゆるゆるなので、口内が中性に向かい始めてから歯を磨こうというもの。
しかし、何度も述べているように、酸性の口内では、ミュータンス菌が繁殖し続け、糖を分解し酸で歯を溶かします。従って、私は歯を直ぐに磨くようにしています。
食後は、歯の表面が傷つきやすい状態です。ガリガリとエナメル質を削ぎ落としてしまわないように、柔らかめのブラシで、プラークのみを除去することを心掛けています。柔らかめのブラシでも結構コシがあります。柔らかめでヘッドが小さいタイプがオススメです。
栄養に気を付ける
歯や歯茎の健康のために、バランスのいい食生活を心掛けましょう。歯茎を健康に保つための栄養素が物理的に足りないなどで、歯周病になっては元も子もないです。健康にも気を付けましょう。
おまけ
下記のサイトでは、重曹(ごく弱いアルカリ性)で磨いて強制的に中和する方法がご紹介されています。更にビオフェルミンを使用して細菌対策も。無茶苦茶頭いいです。試してみようと思います。
下記のサイトで詳しくご紹介されています。すごく面白い記事でオススメです。
※ただし、ビオフェルミンは腸内環境を整えるための製品です。やや糖分が含まれているようなので、できれば上記でご案内した「おくちの乳酸菌習慣タブレット」や「オーラルヘルスタブレット(LION)」などの口内用の製品をおすすめします。
参考サイト
感想
フロスは本当に使った方がいいです。歯ブラシだけの方は是非試してください。磨いたあとにフロスをすると「まじか。。。」っとなると思います。「硬い歯ブラシで、エナメル質だけ削ぎ落として、磨いたつもりで虫歯になる」というのが最悪のパターンですので気をつけましょう。
あと、マウスウォッシュに関して、個人的には否定的です。酸性の製品が多いからです。口内のpHをまた一気に酸性に戻すのが引っかかります。虫歯菌対策のガムやタブレットの方がよっぽどいいと思います。
唾液の力により徐々に中性に戻りますが、「口内が乾燥しやすい方」や「唾液の分泌が少なくなる睡眠中」は虫歯になりやすいので、きちんと歯磨きをしましょう。
虫歯は、自然に回復することはありません。虫歯と感じたらすぐに治療を受けましょう。また、昔の治療方法は虫歯になりやすい場合もあります。ステロイドを摂取している場合も副作用で歯が痛みやすいようです。心当たりの有る方は、一度診断してみるのもオススメです。
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